小山はそのほか人物像も良く描いた。館内にある「ブルーズ・ド・ブルガリ」は、ブルガリアのブラウスを着た娘の容子さんを描いたもので、ルイズ夫人を描いた婦人像(M.L夫人一九五一)同(一九五三)もある。
一九六〇年、六十三歳で日本芸術院会員、日展理事となり、七十八歳のとき文化勲章を受けた。
ロビーで館長の大工原久雄氏にお話をうかがう。窓外に残雪の北アルプスが遠望され、左手はるかに千曲川が見下ろされる。
「小山は小諸義塾で藤村の教えを受けた、という人がいるが、そうではない。
二十三歳の時、藤村を訪ねて助言と激励を受けたのです」。
四年前にパリから帰国していた藤村はそのとき、四十八歳であった。