2010年11月アーカイブ

野生種の取り引きはビッグ・ビジネスです。


動物の取り引きは厳重に監視されているのに、植物の輸出入がどういう状態にあるのかなかなか知りえません。


1977年に、少なくとも3800万個体の植物がアメリカ合衆国に持ち込まれ、多くは許可のないものです。


絶滅の危機に追いやられる動植物は、当然のことながら第三世界諸国に多く発生し、そういうものが西欧の工業国に持ち込まれます。


このため、取り引きの制限にかかわる義務が生産力の低い発展途上国の両肩にかかることになります。


これらの国々がこの問題に対処するのをバックアップするために、国際自然保護連合は、国際取り引きの規制を関係当局に働きかけて、1973年に最初の、ワシントン条約を結ばせました。


この条約は、加盟10か国がワシントン条約にもとづいた立法化を行ない、書類に批准した後、1975年から施行されました。


1980年までには、その調印国の加盟リストは、多くの国が植物保護に力を注ぐようになるにつれ、59か国にふくれあがっています。

植物の保護問題に関しては、どちらかといえば、遺伝的崩壊についてあまりにも深く考えすぎていたきらいもあります。


栽培下では遺伝的多様性が失われてしまうからです。


たしかにこれはひとつの問題ですが、明らかに遺伝的に斉一な植物の小集団でも、存在しないよりはいいでしょう。


一つの種に見られる多様な遺伝子の数は、その種をプログラムするのに必要な「不変の」遺伝子の数に比べれば小さいものです。


栽培下における全体の遺伝子構造は、かつて野生下にあった時から変化するかもしれませんが、その種であるための基本的遺伝子構造は変わることなく存続します。


栽培下に置かれた植物は新種とはいえないでしょう。


しかし、わずかながらも変わった特徴を持つかもしれません。


実際に経験したことですが、植物を栽培下で繁殖していくと、当初は見られなかった驚くべき変異性が発現するでしょう。


カリフォルニァ大学のアーヴィン植物園で、野生下では絶滅したアヤメ科のモラエア・ロウブゼリから得られた最初の種子をまいたところ、変異のない6個体の生育を見ました。


ところが繁殖を繰り返した3世代後、咲き方、花の大きさ、花色の濃淡などにいくつかの変異を見ています。


変異の出方も、野生種とは異なるかもしれません。


・・・それでも、種が消滅してしまうことはないのです。


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