ゴルバチョフ書記長の最大の挑戦は、停滞したソ連経済、社会の立て直しをめざすペレストロイカです。
・・・まず改革路線へ進まざるを得なかった背景に触れてみましょう。
ソ連経済のペレストロイカの論客ニコライ・シメリョフ博士(科学アカデミー所属米国・カナダ研究所教授)が、
「ソ連経済のメカニズムは過去60年間惰性に特徴づけられていた。
官僚社会のひずみが経済の効率化を阻害していた」
・・・と述べているように、計画経済下でたまった官僚機構のうみを一掃するのがペレストロイカの狙いです。
経済の停滞は各種の経済指標を見ても明らかです。
米中央情報局(CIA)が作成した資料によると、1985年の国民総生産(GNP)は米国のほぼ半分に当たる2兆620億ドル、1人当たりGNPは米国の1万6700ドルに対しソ連は7400ドル、工業、農業総生産高ともソ連の効率の悪さが目立っています。
特に問題なのは、国民生活と密接に結び付いている農業生産がなかなか向上しない点です。
元来、穀物の輸出国であったソ連は72年から穀物輸入国に転落。
80年代に入るとソ連の穀物輸入は急増し、その額は世界貿易量の10120%を占めるほどで、米国がソ連のアフガニスタン侵攻への制裁措置として穀物輸出を禁止しソ連に痛手を与えました。